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みなさんは,もうすでに,数学の授業で一次方程式を学びましたね。方程式では,文字式の性質や等式の性質を利用して,未知の数を導き出すことができました。方程式を解くときには,ひとつひとつ手順を踏んで,最後に ” \( x=~ \) ” のかたちをつくります。
ここで,少し考え方を変えて,方程式の解き方を逆順に進めて,複雑な一次方程式をつくってみましょう。はじめに \( x = - \frac{5}{3} \) などと, \( x \) の値(解)をきめてから,等式の性質を利用して,式を変形させていくのです。以下に例を示しますので,自分でもやってみて,複雑で難しい一次方程式をつくってみましょう。
\begin{align*}
x & = - \frac{5}{3} \\
x + 2 & = - \frac{5}{3} + 2 (両辺に2を足した)\\
x + 2 & = \frac{1}{3} (整理した) \\
x + 2 + 2x & = \frac{1}{3} + 2x (両辺に 2x を足した) \\
3x + 2 & = 2x + \frac{1}{3} (整理した) \\
\frac{1}{2}(3x + 2) & = \frac{1}{2}(2x + \frac{1}{3}) (両辺に \frac{1}{2} をかけた) \\
\frac{3x + 2}{2} & = x + \frac{1}{6} (整理した) \\
\end{align*}
完成した一次方程式の問題が
\( \frac{3x + 2}{2} = x + \frac{1}{6} \)
ということになります。どのような手順を踏めば,より複雑で難しい一次方程式をつくれるか研究し,できた問題をコメント欄で発表してみよう。
コメント欄に自分の作った問題をのせるときは,分数などが使えないので,
(3x + 2)/2 = x + 1/6
などと表現することにしてください。また,一般的に×(かける)の記号は*(アスタリスク)で表すのがふつうです。
少し2年生の数学を先取りしてこんなことを考えてみましょう。未知数が2つある場合です。2つの未知数をそれぞれ,x,yとすることにします。2つともxでは区別ができないからです。
\(
x + y = 9
\)
xとyにはどんな数字があてはまるでしょうか。xが0ならば,yは9です。また,xが1ならyは8です。この調子でいくと,10通りのパターンが出てきそうです。
いや,小数や分数も考えに入れたり,負の数を考えに入れたりすると,答えのパターンは無限にありそうです。つまり,この式にあてはまるx,yは無限に存在するので,答えを決めることができないようです。そこで,次の場合を考えてみましょう。x,yは次の2つの式を成り立たせる数だとするのです。さあ,xとyにどんな数があてはまるのか,考えてみましょう。そして,どのようにして解いたのかを,みんなで伝えあい,よりおもしろい解法を見つけましょう。
\begin{eqnarray}
x + y & = & 9 \\
x - y & = & 4
\end{eqnarray}
- できるだけ難しい一次方程式をつくる
(解が複雑すぎるものはダメ)
- 2つの式( \( x + y = 9 , x - y = 4\) )を満たすx,yを求める。そして,説いた方法を学校などで意見しあう。
未知数が3つで,式も3つある場合について考えてみましょう。未知数は x,y,z とします。(ちなみに,高等学校であつかう内容です。)
\begin{eqnarray}
3x - y & = & 2z - 11 \\
x + y + z & = & 2 \\
- x + 3z & = & 2y - 1
\end{eqnarray}
未知数が2つあるとき,それぞれの関係を表す式が2つあれば,解はひとつにきまり,未知数を求めることができます。未知数が3つあるとき,それぞれの関係を表す式が3つあれば,未知数を求めることができます。つまり,n個の未知数があるとき,n個の式があれば解がひとつに決まり,解くことができるのです。
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